AIやIoTと並んで、ITの産業革命のけん引役とされるドローン。
人不足で配達が滞る物流業界や、被災地や山間部など無人でデータ収集ができる測量・建設関係、農薬散布や生育状況の確認に利用できる農業分野、これまで見たことがない撮影ができる映像業界と活躍が期待できる分野は広がっています。
「ドローン」が国家資格に!8の字飛行できますか
点検から農業、物流、防犯まで用途はたくさん昨年12月の法改正で国家資格になった。さまざまな業界でニーズは大きい。操縦を教えるスクールの数も増加中だ。
将来が期待できるドローンですが、その反面、操作や取り扱いができる人材が育っていないのが大きな課題となっています。今回は、ドローンを始めたい方や企業向けの情報を取りまとめて解説します。
ドローン早わかり
よく聞くドローン(Drone)という言葉ですが、その意味は遠隔操縦または自律式の無人航空機一般を指します。人が乗って操縦しておらず、リモコンなどで遠くから操縦するドローンは、最近テレビの映像などでも見ることができますね。
ドローンの種類は?
ざっくりとですが構造の違いでの分け方と、利用目的の違いでの分け方があります。
●構造の違い
ローターと呼ばれる回転翼を回すことで空を飛ぶドローンですが、その数の違いでトライコプター(3つ)、クワッドコプター(4つ)、ヘキサコプター(6つ)、オクトコプター(8つ)などがあります。
ローターが多いほど安定性とパワーが増しますが、重量も重くなるため操作性が難しくなり価格も高くなります。ビジネスとしてドローンを活用する場合には、ローターが多くて安定性が見込めることと、その操作を問題なくできることが必要です。
●目的の違い
趣味で利用するホビー/トイドローンやさらに自撮りに特化したセルフィードローン、空撮用ドローン、海の中などを撮影する水中ドローン、そしてビジネス目的で活用する産業用ドローンなどがあります。
飛ばせる場所は?法律や規制・免許は?
まず飛行可能な場所ですが、人口集中地区・空港など周辺・150m以上の空域は許可が必要など、改正航空法などで細かく規定されていますので、実際にドローンを飛ばす前にしっかりと確認しておきましょう。
出所:国土交通省 ドローンなど無人航空機の飛行ルール
免許はどうなってるの?
次に、ドローンをビジネスで飛ばしたい場合免許などが必要かどうかですが、かねてから利用されている民間資格のほか、2022年12月5日より、国家資格の「無人航空機の操縦者技能証明制度」がスタートしました。
民間団体などが行う民間資格を取得すれば、ドローンの知識や技能が高まり、営業などで受注する際に能力証明になりますし、国家資格取得で都市部の物流にドローンを活用できるなどより高度な展開が可能となります。
主な民間取得・団体など
国交省登録管理団体であるディーパーは、産業用ドローンを普及させるべく、ドローン操縦士を育成するため、最新情報の提供と、飛行に必要な基礎知識と操縦する基本技術を認定するドローン操縦士回転翼3級と、ドローンの実地講習するための技能と、座学・実地を講習する際に必要な基礎知識を認定するドローン操縦士回転翼3級インストラクターの資格認定事業を行っています。
なお、今取得できるのは回転翼3級のみです。注意しましょう
2014年7月に設立された社団法人。無人航空機の健全な市場発展に貢献する目的で、海外を含めた最新情報の周知、安全ガイドラインの策定、安全対策として操縦技能証明、安全運航管理者証明の交付と講習機関の認定などを行っています。
農薬散布専用ドローン「DJI Agras MG-1」のオペレーター認定証を取得することで、「DJI Agras MG-1」の購入と農薬散布が可能になります。
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資格取得や学うためのサイトを見やすくまとめています。
まとめ
<ドローンについて>
・民間資格を取得して操作能力をアップ&第3者にアピール
・スクールによって取得できる民間取得が違うことに注意
・農薬散布については、専門のドローン(DJI社のMG-1など)操作認定証が必要
・2022年12月5日より国家資格制度開始
今は、ドローンを操作できる人材が圧倒的に不足していますし、操作技術を知っている管理者層・経営層は希少です。「空の産業革命」ともいわれるドローンの飛行技術をまず取得し、将来の発展に備えること、新ビジネスに挑戦することが求められています。