就職や転職、あるいは能力の見える化や学び直し・リスキリングで新しく資格を取得する方が増えています。世の中に数多くの資格がある中で、これから成長を続けていくネットショップ業界に特化した資格があるのをご存じですか?
それは、一般財団法人ネットショップ能力認定機構が主催する民間資格「ネットショップ実務士」です。このページでは、ネットショップ検定・ネットショップ実務士の概要と受験方法について分かりやすく解説します。
ネットショップ実務士とは?
「ネットショップ実務士」とは、一般財団法人ネットショップ能力認定機構が主催、ネットショップの現場力が身に付く民間資格です。オンラインショップの運営に必要な知識と技能を認定する資格で、ネットショップの立ち上げから仕入れなど運営、マーケティング、WEB制作、顧客・クレーム対応まで幅広い分野をカバーしています。
ネットショップ業務に携わる方々にとって有益なスキルを習得し、実践するための目印・証明にもなります。
等級は、セミナー終了で取得できる入門の「実務士補」から、検定試験で基礎知識を問われる「レベル1」、実践知識が求められる「レベル2」、実践経験が必要な「レベル3、レベル4、レベル5」までの6段階に分かれています。実務士補からレベル1,2まではだれでも受験ができます。
ネットショップ検定試験は実務に沿った問題が多く、著名なネットショップも取得を推奨していますし、多くのネットショップ作成サービスも公式ブログなどで当資格について詳しく解説をしています。
つまり、ネットショップ検定試験で合格を目指すのは「レベル1」「レベル2」の2つになります
取得後のメリット
ネットショップ実務士の資格を取得することで、以下のようなメリットがあります。
信頼性の向上: ネットショップの運営に関する専門知識を持つことが証明され、顧客や取引先からの信頼を得ることができます。
キャリアアップ: 資格を取得することで、ネットショップ業界でのキャリアアップが期待できます。
ネットショップ運営のスキル向上: 実際の運営に必要なスキルを体系的に学ぶことができ、日常業務の効率化や売上向上に繋がります。
証明書やロゴ使用: 検定合格月の翌月中旬~月末に、登録住所へ「認定証明書」が送付されます。また、「ネットショップ実務士」のロゴマーク利用権利も付与されます。
どんな方に向いているか?
ネットショップ実務士(レベル1)は、EC業界への就職を考えている方やこれからネットショップ業界に参入を考えている方々に適しています。就職時に履歴書に書くなどの用途が考えられます。
ネットショップ実務士(レベル2)は、ネットショップの運営者やスタッフ、転職を考えている方、コンサルタントやアドバイザーなどEC支援事業者の方々に向いています。
試験範囲・内容は?
レベル1、レベル2ともに、マークシート形式で70問を4択、時間は80分です。
レベル1、レベル2ともに全70問中70%(49問)以上の正答率と、合格評価カテゴリごとに50%以上の正答率のいずれも必要です。
ネットショップ検定レベル1の試験範囲・内容
出題範囲 | 問題数 | 合格評価カテゴリ |
ネットショップのビジネス環境 | 15問 | 【1】ビジネス知識 |
小売業の分類と特徴 | ||
ネットショップの位置づけ | ||
ネットショップの出店形態と特徴 | 18問 | 【2】前提知識 |
ネットショップ実務の共通知識 | ||
ネットショップ事業の準備 | ||
ネットショップの制作 | 29問 | 【3】実施知識 |
ネットショップのプロモーション | ||
ネットショップの運用 | ||
社会人としての基礎知識 | 8問 | 【1】ビジネス知識 |
ネットショップ検定レベル2の試験範囲・内容
出題範囲 | 問題数 | 合格評価カテゴリ |
■ 運営管理 | 15問 | 【1】運営業務 |
受注~出荷指示 | ||
物流センター業務 | ||
問い合わせ対応、クレーム対応 | ||
商品管理 | ||
■ Web制作業務 | ||
トップページ | 17問 | 【2】Web制作業務 |
商品ページ | ||
その他ページ | ||
商品写真の企画と撮影技法 | ||
カラーデザイン | ||
キャッチコピー・文章 | 11問 | 【3】ライティング |
メールマガジン | ||
知っておくべき知識 | 3問 | 【2】Web制作業務 |
■ プロモーション業務 | ||
新規顧客獲得(キーワードマネジメント) | 4問 | 【3】ライティング |
新規顧客獲得(キーワードマネジメント以外) | 16問 | 【4】プロモーション業務等 |
リピート購入(リテンション) | ||
■ その他 時事問題 | ||
EC業界ニュース 日本の経済動向、用語など一般常識 |
4問 |
難易度や勉強時間は?
資格系サイトやネットの情報では、「ネットショップ実務士レベル1」で易しい、「ネットショップ実務士レベル2」でやや易しい、という評価が一般的です。
合格までの勉強時間は、ネットショップ未経験者で「ネットショップ実務士レベル1」が50~100時間程度、経験者やネットショップに詳しい方で「ネットショップ実務士レベル2」が10~30時間程度と当サイトでは考えています。
おすすめの試験対策・合格の最短距離は?
ネットショップやEC業界を勉強するといっても、とても幅が広く時間がとても足りません。
日々のネットショップ運営や仕事をしながらではなおさらです。
筆者は、2024年に「ネットショップ実務士 レベル2」に合格しましたので、できうる限り時間をかけず合格する勉強方法について、実践したポイントをまとめます。
筆者の経歴: 過去にネットショップ運営の経験はありますが、現在はネットショップ運営に携わっていません。2002年~2015年まで動画系レンタルサーバービジネスを立ち上げ運営していました。現在は、IT全般のコンサルティングを行っています。
民間資格の重要ポイント: 一般的に主催団体が提供している公式テキストから出題される可能性が極めて高いこと。問題集が出ている場合は、出題の傾向、文章の特徴がつかめること。
必要なテキスト: ネットショップ能力認定機構が販売している公式テストは必ず入手しましょう。筆者もレベル2対応の公式テキストを入手し、試験日まで3回転程度読み返しを実施しました。
必要な問題集: 公式サイトで販売されている問題集(過去問)は、持っておくと方向性がつかめるので入手はお勧めします。ただ、この問題集には解説がありませんので、なぜそういう答えになるのかは自分で調べて解決する必要があります。
筆者は、問題集を入手し問題・回答を進めながら、答えや解説を公式テキストで確認し、インプットすることを実施しました。
さらに、時事情報や経済情報は、日経新聞やEC系ニュースサイトを日々触れるようにして、頭に入れておくことも大切です。ネットショップ検定試験で出題されるEC・経済問題はやや古い傾向あがりますので、過去5年程度までさかのぼって、ざっとつかんでおいたほうが良いでしょう。
試験の申込順: EC業界未経験の方、知識のない方は、まずは勉強を始めて自信が出始めたときに試験申し込み(支払い)を行って、当日まで勉強を進める方法がおすすめです。
また、ある程度EC業界を知っている方、ネットショップ経験者の方は、先に試験を申し込み(支払い)して、その日までに仕上げるという流れで問題ないでしょう。
試験慣れ: CBT方式は、パソコンで試験が受けられて便利ですが、事前に慣れておくとより試験に集中して対応できます。能力チェックやリスキリングなど、別の資格をCBT方式で受験しておくと、リラックスして受けられるでしょう。
筆者は、ネットショップ検定の前に、他の資格試験をCBT方式で受験して、事前に雰囲気に慣れておくようにしました。
結果: 公式テキストと問題集を複数回繰り返し、1か月以内の勉強で、1回の試験で合格できました。公式テキスト・問題集中心のスタイルで、最短の時間で資格を取得できる可能性は高いでしょう。ただし、普段からのネットショップ関連情報のインプット・アウトプットも必要ですので、幅広く情報を得ておくことも並行して進めておきましょう。
所感: ネットショップ検定試験は、ネットの評判では「やや易しい」という評価が大勢ですが、アップデートされている問題も多くありますので、甘く考えていると厳しい結果になるかもしれません。しっかり事前にインプットして試験に臨んでいただければと思います。
受験方法や時期など概要
受験資格: 特に制限はなく、誰でも受験することができます。また、レベル1・レベル2どちらもいつでも受験可能です。
受験方法: ネットショップ検定試験(レベル1、レベル2)は提携のテストセンター(CBTテストセンター)で実施中です。受験申込(ネットショップ能力認定機構公式サイト経由)
でCBT受験者専用サイトにアクセスし、最初に受験者登録をします。そして、受験したい試験を選択し会場・日時を選び、クレジット・コンビニ支払いなどで支払いを済ませれば受験できます。
料金はレベル1が7,000円、レベル2が7,500円となっています。(2024/7時点)
試験日程: ネット経由で試験日の3日前から申し込めます。また再受験も何回でも可能です。(別途受験費用は必要)
合格基準: レベル1、レベル2ともに全70問中70%(49問)以上の正答率と、合格評価カテゴリごとに50%以上の正答率のいずれも必要です。
合格率: 合格者数などのデータは公表されません。
合格発表: CBT試験終了後、すぐに画面表示されます。また、試験会場で「試験結果レポート」をプリントアウトして、持って帰ることができます。
試験対策: ネットショップ実務士の試験対策として、公式テキストや問題集が用意されています。これらの教材を活用することで、試験に必要な知識を効率よく習得することができます。
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資格取得や学ぶためのサイトを見やすくまとめています。
まとめ
ネットショップやEC業界の能力証明をする資格が少ない中で、「ネットショップ実務士
詳細については、[ネットショップ実務士公式サイト]をご覧ください。